今号の相談は「パソコン作業のしすぎで、手首の小指側に激痛が生じた」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q パソコン作業のしすぎで、手首の小指側に激痛が生じました。これはどういった症状なのでしょうか。
A おそらく手首の小指側(尺骨上)の尺側手根伸筋腱が炎症を起こしたのだと思います。日常的にパソコンでキーボードを打つ人はもちろん、ゴルフやテニスのように手首に負担がかかるスポーツをする人たちにも多くみられる症状です。
Q 手首をひねったり反らせたりすると激痛が走るのですが、どうすればよいのでしょうか。
A まず痛みが再現されるような動作を徹底的に控えることが大切です。そのうえで患部へのアイシングと冷湿布を施し、さらにサポーターで固定してできるだけ安静度を高めましょう。日常生活に支障が出るほど激しい痛みの場合、鎮痛消炎薬の服用も効果的です。早期に適切な処置を施せば、痛みは慢性化せずに治まると思います。
整形外科領域ではTFCC(三角線維軟骨複合体:靱帯と軟骨の複合体)の損傷と診断されるケースがあります。ただ、一週間程度で痛みが治まるようであれば、腱の急性炎症であったかと思われます。
Q 予防法などはあるのでしょうか。
A 仕事やスポーツの合間に手首をブラブラさせたり、反らせたりするようなストレッチを取り入れてみるとよいでしょう。また、仕事やスポーツで手首を酷使する人は痛みを繰り返すケースが多いので、チョッとでも違和感を覚えたら、酷使を控えて安静度を高めるようにしてください。
それから、体質的に炎症様の痛みの出やすい方がいます。私見ですが糖質過剰摂取の方、肥満気味の方は炎症リスクが高いと推測されます。心当たりのある方は自身の食生活を見直し、改善に取り組んでみるとよいかもしれません。
Q 筋肉のメンテナンスをすることも大事でしょうね。
A そうですね。定期的に筋肉治療の専門院で施術を受けるのも効果的です。この症状は前腕の筋肉だけでなく上腕部を含めた筋肉がこわばるケースが多いので、腕全体を施術してもらうとよいでしょう。もちろん、セルフマッサージも効果的なので、ストレッチと同様、仕事やスポーツの合間に取り入れてみるといいかもしれません。