今月号の痛みの相談は30代のランナーの男性から。「ジョギング中にアキレス腱の周囲が痛むようになってきた」というものだ。はたして、この症状にはどのように対処すればいいのだろうか。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q ジョギング中にアキレス腱周囲が痛むようになってきたのですが、どういう症状なのでしょうか。
A アキレス腱とはふくらはぎの筋肉と踵の骨をつなぐ人体強大の腱のことです。ランニングが原因で徐々に痛みを感じるようになったのであれば、アキレス腱そのものの損傷ではなく、アキレス腱上部のひらめ筋がこわばっているのだと思います。また、アキレス腱からは少し遠位になりますが、ふくらはぎ上部にある腓腹筋がこわばっている可能性もあります。アキレス腱自体が炎症を起こすケースもありますが、患部に熱があったり、腫れたりしていないかぎり、筋肉のこわばりが痛みの原因と考えて間違いないでしょう。
Q 今は走っているときや階段の昇降時に痛む程度なのですが、放置するとどのようになるのでしょうか。
A 現時点では日常生活にそれほど支障がないかもしれませんが、放っておくと普通に歩くだけでも痛みを感じるようになるかもしれません。また、筋肉のこわばりが慢性化すると、寝ているときに突然、けいれん性の過収縮(こむら返り)を発症することもあります。違和感を覚えたら、できるだけ早めに筋肉専門の治療院で施術を受けるようにしてください。
Q どのような治療が効果的なのでしょうか。
A ふくらはぎを中心に筋肉のこわばりを緩めてもらうといいでしょう。ただ、腓腹筋、ひらめ筋以外の筋肉に異常を起こしていることもあるので、筋肉をしっかりと触診できる治療家に検査をお願いすることです。
Q 筋肉疲労を蓄積させないようにするためにはどうすればいいのでしょうか。
A 走る前後のストレッチ、セルフマッサージなどは一般的な予防法です。しかし、ふくらはぎ筋はランニング時だけでなく日常生活の中でも酷使されるので、知らず知らずのうちに筋緊張が蓄積してしまうことがあります。一般的に自覚症状をともなわない筋緊張は気づきにくい傾向があるので、定期的に筋肉専門の治療院で筋肉の状態を検査、ケアしてもらうことが大切です。