今月号の痛みの相談は「ランニング中に背中が痛むようになってきた」というもの。はたして、この症状にはどのように対処すればいいのだろうか。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q ランニング中に背中が痛くなるのですが、これはどういう症状なのでしょうか。
A ランニングは脚だけでなく身体全体の筋肉を使います。とくに初心者の方は上半身が力みやすく、その結果背中や腰の筋肉にこわばりが生じ、痛みにつながることが多いようです。なかでも上半身と下半身をつなぐ脊柱起立筋は、ランニングでこわばりやすい筋肉なので注意をする必要があります。
ちなみに、この脊柱起立筋とは背骨に沿って首から腰部にかけて細長く伸びている、大小さまざまな筋肉の総称です。座っている時にも立っている時にも作用する筋肉なので、ランニング時のみならず、長時間のデスクワークなどでもこわばることがあります。
Q 痛みが長引いているのですが、どうすればいいのでしょうか。
A 治療効果が出やすい部位なので、すぐに筋肉専門の治療院で診てもらうといいでしょう。痛みや違和感が残っている状態で練習を続けても、症状を悪化させてしまうだけです。痛みのある間はランニングを控えて安静にしてください。
Q ランニング後のケアで気をつけるべきことはありますか。
A セルフマッサージを行う際は、床にテニスボールを置き、その上にあお向けに寝て脊柱起立筋を刺激するといいでしょう。ランニング後にこうしたセルフマッサージを行うことで、筋肉の疲労を解消できます。もちろん、常日頃のケアとして脊柱起立筋をキチンとストレッチしておくのも効果的です。
Q 今後、痛くならないようにするために、ランニングフォームをどのように改善すればいいのでしょうか。
A 腰骨を垂直に立てるようにして走ってみてください。そうすることで、重心が骨盤に乗りやすくなり、ムダな力を必要とせずに走れるようになります。また、意識して腕の振りを大きくすると筋肉への負荷が増すので、腕振りはほどほどにしてください。あとは自分にとってラクに走れているかどうかが肝心です。さまざまなフォームにトライして、自分がもっともラクに速く走れるフォーム、背中や脚に痛みが出にくいフォームを作り上げていきましょう。