今月号の相談は「最近、歩くたびに脚の付け根に違和感を覚えるようになった」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 最近、歩くたびに脚の付け根に違和感を覚えます。整形外科を受診したところ、グロインペイン症候群と診断されたのですが、これはどういう症状なのでしょうか。
A グロインペイン症候群は鼠径部痛症候群とも呼ばれ、その名の通り、鼠径部周囲の痛みの総称です。主にサッカーや陸上競技、ダンスなど股関節に負担がかかるスポーツで発症しやすいとされ、悪化すると歩行にも困難をきたすほどの痛みに襲われることがあります。
Q 私はとくにスポーツをしているわけではないのですが、そういった人でも鼠径部痛になることがあるのでしょうか。
A スポーツの有無にかかわらず、鼠径部の痛みに悩まされる方はかなりいます。そもそも、鼠径部は腸腰筋や内転筋など複数の筋肉が交差する部位で複雑な領域です。また、日常生活を送るうえで歩いたり、走ったりする動作は欠かせないので、男女問わず、年齢を重ねるうちに鼠径部の筋肉への負荷は蓄積してしまいがちです。一方で、腰やひざを痛めてしまった方が、患部をかばっているうちに鼠径部に痛みを覚えてしまうケースもあります。
Q 治療はどのようにすすめていくのでしょうか。
A まずは鼠径部のどの筋肉が痛みの原因になっているのかを問診や触診で把握したうえで治療していきます。また、高齢の方は腰やひざにも筋肉のトラブルを抱えていることが多く、その場合は同時に複数の筋肉の治療をすすめていきます。治療回数に関しては、患部が複数にわたる場合、10回以上におよぶと想定したほうがよいでしょう。
Q 効果的なセルフケアの方法はありますか。
A 鼠径部痛の原因を自分で判別するのは困難を極めるので、セルフケアは難しいと思います。また、筋肉に関する知識がないままストレッチすると、逆に症状を悪化させてしまう怖れがあるので要注意です。
鼠径部に違和感を覚えたら、やはりはやめに筋肉治療の専門院を受診したほうがいいでしょう。その際にポイントになるのは、治療院の先生が痛みの原因となる筋肉を的確に診断できるかどうかです。痛みの原因筋をしっかりと指摘してくれる先生であれば、信頼して治療を受けていただいて大丈夫だと思います。