今月号の相談は「40代の主婦ですが、腕を上げにくくなったり、動かすときに痛みが生じたりするようになりました」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 40代の主婦ですが、腕を上げにくくなったり、動かすときに痛みが生じたりするようになりました。生活にも支障をきたすような状況なのですが、これはどういった症状なのでしょうか。
A 四十肩の症状だと思われます。肩関節周囲炎と呼ばれることもありますが、腕や肩を中心に、背中、胸などの筋肉が硬くこわばったことが根本原因です。自覚症状がないうちに肩こりや筋肉のこわばりが悪化し、いつの間にか腕が上がらなくなったり、腕を上げようとすると激痛が生じたりするようになってしまうのです。
Q どういう人がなりやすいのでしょうか。
A 私の臨床経験からいうと、若いころから肩こりに悩まされてきた、背中が円くなってきた、長年にわたり運動不足だったなどの条件が重なると、四十肩になりやすい傾向があります。また性差では、男性よりも女性のほうが発症しやすい印象です。あと、四十肩、五十肩というと、40~50代の中年層がなるものと思われるかもしれませんが、実際には10代でなる人もいれば、60代以降でなる人もいます。
Q 「1~2年くらいすると痛みが引く」といった話を聞いたことがあるのですが、実際のところどうなのでしょうか。
A たしかにそういった話を耳にすることがありますが、たとえ自然に痛みがやわらいだとしても、腕の上げづらさのような可動域制限が残るケースがほとんどです。これは症状の根本原因である筋肉のこわばりが解消されていないためであり、いつ痛みが再発してもおかしくない状態が続くということでもあります。痛みが小休止しているうちに積極的に筋肉治療をはじめてほしいと思います。
Q 治療にはどの程度の期間を要するのでしょうか。
A 四十肩、五十肩は長年にわたる筋肉への負荷が原因となっています。しかも、腕や肩の筋肉は日常的に使わざるを得ないので、回復には相当の時間を要します。とくに運動習慣のない方は筋肉の質が低下していることが多く、治療に1年近く要することもあります。比較的症状が軽い方でも3カ月くらいはかかるので、とにかく根気強く治療をつづけるほかないですね。
Q 予防法などはありますか。
A やはり大切なのは日頃からの運動習慣です。たとえば、生活のなかにラジオ体操を取り入れてみるのはどうでしょうか。短時間で全身運動ができますし、関節の可動域を広げるうえでも効果的です。また、運動しているうちに「腕が上がりにくくなった」などの違和をはやめに体感できるので、すぐに施術を開始すれば四十肩への移行を防ぐことができるでしょう。