今月号の相談は「パソコンと向き合う時間が長くなってから、後頭部に痛みを感じるようになった」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q コロナ禍でテレワークが増えパソコンと向き合う時間が長くなったせいか、最近、後頭部がズキズキと痛むことがあります。神経内科で後頭神経痛と診断されたのですが、いっこうに快方に向かいません。どうしたらいいのでしょうか。
A 後頭神経痛は後頭部の神経がダメージを受けて生じる痛みとされています。ただ、筋肉治療の専門家の立場からすると、頭と首の境目にある後頭下筋群(大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)のこわばりによる痛みとしてとらえたほうが適切だと思います。
後頭下筋群はずっと上を向いていたり、逆に下を向きつづけたりすることでこわばります。たとえば日常的に下を向いてスマホの画面を見つづけたり、掃除や電球交換などで頭上を見上げたりしていると、知らず知らずのうちに後頭下筋群がこわばり、それが痛みにつながるのです。
Q どうすれば痛みから解放されるのでしょうか。
A 鎮痛薬などを服用すれば一時的に痛みを抑えることはできますが、それでは根本的な症状の解消になりません。また、人によっては後頭部だけでなく、目の奥や眉間のあたりに関連痛が生じるケースもあります。後頭部の痛みということで不安を覚える方も多いでしょうから、しばらく安静にしても痛みが引かない、あるいは慢性的に痛みに悩まされているという方は、ぜひとも筋肉治療の専門院で施術を受けてみてください。後頭下筋群は治療効果が出やすい部位なので、はやければ3回、長くても10回ほどの通院で良化を実感できるはずです。
Q これまでに何度も同様の症状があらわれているのですが、予防法はあるのでしょうか。
A 筋肉のこわばりは生活習慣に起因します。とくに不良姿勢は筋肉のこわばりを強める主要因になるので、まずは体の使い方や姿勢を見直すところからはじめるといいでしょう。ただ、デスクワークなどのように職業柄なかなか生活習慣を変えることができない人の場合、仕事の合間に適度な休憩を挟んで首や肩を動かすことを心がけてみてください。また、気になる箇所をマッサージしたり、患部を温めて血流を良くしたりするのも効果的です。そのうえで、定期的に治療院でケアを受けることによって痛みの発症を予防することは可能です。