今月号の相談は「加齢にともない筋肉痛が遅く出るようになった」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 中年になってから筋トレをはじめたのですが、若い頃よりも筋肉痛が遅れて出るような気がします。これはどういった現象なのでしょうか。
A よく「歳をとってから筋肉痛が遅く出るようになった」という話を耳にしますが、実際のところ、加齢と筋肉痛の遅発化に因果があるという研究結果はありません。医学的には、筋肉痛の詳細なメカニズムは未だ解明されていないのです。
Q では、何が原因でそのように感じるのでしょうか。
A 筋肉痛の出やすさには運動習慣の有無が大いに関係しています。普段から運動する習慣のある人は、筋線維の破壊と修復を頻繁に繰り返しているので、細胞の代謝サイクルがスムーズなのでしょう。そういった意味で、運動習慣のある人は筋肉痛が出にくいと考えられます。
ただ、年齢を重ねるうちに運動不足になっていく人がほとんどです。運動不足とともに代謝が遅くなり、しかも感覚神経の伝達が鈍くなるので、若いときよりも痛みが遅れて出るように感じるのかもしれません。
Q となると、普段から運動している人は筋肉痛になりにくいのでしょうか。
A 一概にそうともいえません。運動習慣のある人であっても、異なるスポーツにチャレンジしたり、普段よりも筋肉を酷使したりすれば、当然筋肉痛が生じることもあります。
Q 痛みが長期化することもあるのでしょうか。
A 通常、筋肉痛は3日~1週間程度で治まるものです。それよりも痛みが長期化する場合は激しい炎症が生じている、あるいは肉離れを発症している可能性があるので、すぐに筋肉治療の専門院に足を運んでください。
Q 筋肉痛を予防したり、できるだけ早めに治したりするコツはあるのでしょうか。
A 代謝を上げるため、運動後に湯船に浸かるのはオススメです。また、痛みが強い場合は炎症を生じている可能性があるので、患部をアイシングしたり、シップを貼ったりして安静を心がけてください。
たとえ痛みが引いても、一度傷ついた組織が回復するのには時間が必要です。トレーニング再開のタイミングには十分お気を付けください。