今月号の相談は「奥歯が痛くて歯医者を受診したが、歯にはとくに異常がないと診断された」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 奥歯が疼くので歯医者に行ったのですが、歯にはとくに異常がみられませんでした。歯科の先生がいうには「ひょっとしたら筋肉のこわばりが原因かもしれない」とのことなのですが、そんなことがあるのでしょうか。
A 咀嚼筋のこわばりが、歯の痛みに関係している可能性はあります。ためしに顎や頬のあたりの咀嚼筋をグリグリと押圧してみてください。その際に歯の痛みが再現されるようであれば、咀嚼筋のこわばりが原因であると思われます。
Q 咀嚼筋はこわばりやすい筋肉なのでしょうか。
A はい。たとえば顎の関節は、しゃべったり、咀嚼したりする動作で、1日に2,000回ほど開閉しています。その上にガムを頻繁に噛む、歯を食いしばるといったさらなる負荷が加わると、筋肉が過剰に緊張することも十分ありえます。
Q 咀嚼筋を治療すれば、歯の痛みも改善されるのでしょうか。
A 咀嚼筋が痛みの原因である場合、そのこわばりを施術することで、自然と歯の痛みもなくなります。比較的治療効果が出やすい症状なので、予後は良好です。
「奥歯が痛いのに歯科医を受診しても原因がわからなかった」といった方は、ぜひ筋肉治療の専門院を訪ねてみてください。思いのほか、スムーズに痛みが快方するかもしれません。
Q 咀嚼筋のこわばりは歯痛以外にも影響をおよぼすのでしょうか。
A 咀嚼筋にトラブルを抱えている場合、首や肩の筋肉もこわばっていることが多いので、首痛や肩こりを併発することもあります。また、側頭筋も咀嚼筋のひとつですが、サイズの小さい帽子をかぶり側頭部が締め付けられることによって、頭痛を引き起こすこともあります。こういった場合も内科領域では原因不明の痛みと診断されてしまいがちです。、その際には咀嚼筋の異常や筋肉治療のことを思い出してみてください。
Q 予防法などはありますか。
A 顎や頬、側頭部などに違和感や痛みが生じたら、セルフマッサージをするといいでしょう。指先で気になる箇所をグリグリと押すだけでも筋肉のこわばりを和らげることができます。それでも頻繁に咀嚼筋がこわばってしまう場合は、生活習慣にも注意を払い、定期的に筋肉治療を受けるようにしてみてください。