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今月号の相談は「胸部に強い痛みがあったので病院で検査を受けたが、原因がわからなかった」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。

Q　胸部に強い痛みがあったので病院で検査を受けましたが、原因がわからないまま現在も違和感が残っています。いったい何が原因なのでしょうか。

A　胸部にある大胸筋あるいは小胸筋のこわばりが原因ではないでしょうか。とくに小胸筋は大胸筋の深層にあるため、違和感や痛みの発生源として認知しづらく、筋肉のこわばりが見過ごされてしまいがちな傾向にあります。

Q　胸筋が原因の痛みに特徴的な指標はありますか。

A　痛みを誘発する特徴的な動作としては、腕をグルグル回す動きが挙げられます。この動作で前胸部に痛みが再現される場合、胸筋のこわばりを疑ってみていいと思います。また外観的特徴として、円背やなで肩、肩が巻いているといった姿勢が挙げられます。

Q　セルフマッサージなどは効果的でしょうか。

A　胸部は自分でも触れやすい部位ですが、いざセルフマッサージするとなると、なかなか圧痛点を見つけづらいと思います。とくに、小胸筋は大胸筋の上から深く圧をかけなければならないため、一般の方がアプローチするのは困難でしょう。

Q　今は違和感がある程度なのですが、放置しておくとどのような症状が生じる恐れがありますか。

A　大・小胸筋の異常が腕から手にかけての痺れを引き起こすことがあります。また、小胸筋は呼吸時の補助筋として作用するため、過度にこわばると胸部に発作性の強い痛みを引き起こすこともあります。いずれの症状も重篤な病態を連想させますが、病院の精密検査を経ても原因が明らかにならないケースが多くあります。原因不明の胸部の痛み、腕や手のしびれに悩まされている方は一度、筋肉治療の専門院に足を運んでみるといいでしょう。

Q　胸部の筋肉がこわばる原因としては、どのようなものが考えられますか。

A　普段あまり胸筋を使っていない人が重い荷物を持ち運んだり、また腕立て伏せのような胸筋を鍛えるトレーニングを過度に行ったりすると、容易に筋線維を損傷してしまいます。また、五十肩の症例で三角筋を介し胸筋のこわばりを招いているケースもあります。いずれにしても、痛みや違和感を覚えたら安静にすること、そして一刻もはやく筋肉の治療を始めることが大切です。