今月号の相談は「冬になると身体の節々が痛むがどうすればいいのか」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 冬になると関節の節々が痛くなります。これはどういった症状なのでしょうか。
A 一般的に、冬の関節痛は寒さの影響で古傷が痛んだり、軟骨や半月板がすり減って痛んだり、もしくは神経痛などといった様々な痛みの集合体と理解されているように思います。しかし、私見ですが痛みの原因ははっきりしています。
Q 先生はどういったことが原因だと考えているのでしょうか。
A 私は関節痛と呼ばれる痛みの正体は、筋肉のこわばりによるものだと考えております。寒さそのものが筋肉を硬くこわばらせることはありませんが、寒さをしのぐ姿勢や寒いという不快な情動体験が自律神経系に悪影響を及ぼし、痛みを増強させているのではないでしょうか。とりあえず、マッサージや温かいお風呂に浸かることで痛みが緩和されるのであれば、それは軟骨などの構造的異常による痛みではなく、筋肉のこわばりによるものと考えていいでしょう。とくに腕や脚の末端部は冷えやすいので、寒さの影響を受けやすいと言えます。
Q どうすれば改善されるのでしょうか。
A まずは身体の保温を心がけてください。膝などが痛い場合はサポーターの着用も効果的です。それでも痛みが改善されない場合は、筋肉専門の治療院に足を運び、筋肉をケアしてもらうのがいいと思います。
ただ、こういった症状の根本的な原因のひとつに慢性的な運動不足もあげられます。概して、運動習慣のある方は筋肉治療に対して好反応が出やすいのですが、運動不足の方の筋肉はもともとの血流が悪いため、治療効果が出づらく痛みが長期化するケースも見られます。そのため、運動不足を自覚している方には根気強い筋肉治療と生活習慣の改善が求められます。
Q 高齢の方が同様の症状に見舞われるケースが多いように思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。
A その場合もやはり要因のひとつには運動不足があります。高齢になると運動の習慣を身につけるのが難しいかもしれませんが、まずはラジオ体操やウォーキングといった簡単なエクササイズから始め、徐々に運動を習慣化し痛みの出にくい身体づくりに励んでほしいものです。