今月の痛みの相談は50代の女性から。「冬場になると、頻繁にギックリ腰になってしまう」というものだ。さっそく、その痛みのメカニズムと対処法について、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に教えてもらった。
Q 冬場になると、頻繁にギックリ腰になってしまいます。体が冷えると、ギックリ腰になりやすいのでしょうか。
A そもそも、ギックリ腰とは病名ではなく、「急性腰痛」の総称のことです。また、ギックリ腰は突然発症するイメージがありますが、実際には慢性的にこわばっている筋肉が、何らかの外力よって痙攣を起こし強い痛みを生じるのです。寒いからといって、筋肉に物理的な負荷がかかることはないので、おそらく気温の変化とは因果関係はないと思われます。ただし、寒さで姿勢が悪くなったりすると、その分、余計な負担が腰にかかるので、ギックリ腰を起こしやすくなる可能性はあります。また、冬場に何度かギックリ腰を繰り返すと、「寒くなると腰が痛む」という一種の思い込みにとらわれるのかもしれません。
Q ギックリ腰になったときは、どう対処すればいいのでしょうか。
A 腰にピリッと違和感を覚えたら、すぐに横になって安静にするのが一番です。私も何度かギックリ腰になったことがありますが、すぐに湿布を貼って横になったら翌日には回復しました。しかし、それはあくまでも一時的な回復にすぎませんから、少しでも腰に違和感が残るようでしたら、治療で筋肉をほぐすようにしてください。若い人はチョットした痛みを我慢する傾向があります。しかし、それを放置しておくと周囲の筋肉が患部を守ろうとしてさらに硬縮してしまい、筋肉のコンディションを悪化させてしまうので要注意です。
Q 自分でマッサージしたりしてはいけないのでしょうか。
Aギックリ腰は極度に筋肉が硬縮している状態ですので、筋肉のこわばり具合を診ながら微妙なサジ加減で筋肉をほぐしていく必要があります。治療院に行けない場合は、外から強い刺激を与えないでください。腰が痛くなったときに、お子さんに腰を踏んでもらったりする方がいますが、ギックリ腰の時にはゼッタイにそういったことはしないでください。状態が悪化して動けなくなることもありますから。