今月の痛みの相談は30代の男性から。「姿勢を良くしようとしていたら、背中のあたりが痛むようになった」というものだ。さっそく、その痛みのメカニズムと対処法について、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に教えてもらった。
Q 姿勢を良くしようと背すじを伸ばしていたら、背中のあたりが痛むようになってしまいました。やはり、ムリに姿勢を直そうとしたことが原因なのでしょうか。
A そもそも、猫背の人は腰の下部に重心がかかるので、腰の痛みを生じやすくなります。ですから、座位時には腰を真っすぐ立てるように座ること。そして、立位時には頭のてっぺんを上から糸で引っ張られるようなイメージで立つこと。そうすることで良い姿勢を保つことができ、背中から腰にかかる負担を軽減できるのです。しかし、それはすべての人に当てはまるわけではありません。筋肉に負担のかからないラクな姿勢というのは、人それぞれ違うもの。今回の場合、ムリに姿勢を改善しようとしたため、普段使っていない背筋群を過度に緊張させ、痛みが出たのでしょう。
Q 背中が痛くなったのは、背筋が弱かったからなのでしょうか。また背筋を鍛えたほうがいいのでしょうか。
A 筋力が弱いから痛みを生じるということはありません。逆に、筋骨隆々のスポーツ選手がカラダの痛みで苦しんでいるのは周知の事実です。痛みの予防には、筋肉を「鍛える」ことよりも「緩める」「柔らかくする」ということが重要です。脊筋群は手の届きにくい場所なので、セルフマッサージをしにくい部位です。自分でマメに背筋を伸ばしたり屈めたり捻ったり、いろいろな角度にストレッチをしてみてください。それでも痛みがつづくようであれば、筋肉治療専門の治療院で施術を受けてみるといいでしょう。
Q 就寝中にも背中が痛むことがあるのですが、寝るときの体勢にも注意したほうがいいのでしょうか。
A とくに気にする必要はないと思います。そもそも寝転がっているときは、体のどの部分にも大した負荷はかからないので、その姿勢を問題にする必要はないのです。むしろ寝るときこそ、自分がもっともラクな姿勢でいられるよう、睡眠環境を整えるべきなのです。