今月の痛みの相談は60代の男性から。「太ももが激しく痛み、身動きがとれなくなってしまった」というものだ。さっそく、その原因と解消法について、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 以前より殿部から太ももにかけて痛みがあったのですが、先日あまりの痛みで動けなくなってしまいました。これはどういった症状なのでしょうか。
A 一般的に坐骨神経痛と呼ばれる症状ですが、実際は殿部から太ももにかけての筋肉痛(筋の痙攣痛)です。しかし、動けなくなるほどの痛みとは、ただ事ではありませんね。筋緊張が蓄積して、筋のこわばりが常態化しているのだと思います。もっと早い段階で治療を受けていれば良かったのですが、一度こういった状態に陥ってしまうと、以前の状態に回復するには地道な治療が必要になります。
Q できるだけ早めに治したいのですが、どうすればいいでしょうか。
A 一旦ここまでひどくなると、どんなにいい治療を施してもなかなか痛みが引きません。痛みの記憶が脳に焼きつき、筋肉の状態が改善されても、痛いという感覚が抜けにくくなるからです。また、筋肉が慢性的に硬くなってしまうと、治療で筋肉をほぐしても、すぐに硬い状態に戻ってしまいます。そのため、1回1回の治療では大きな改善は見込めませんが、地道に治療をつづけることで、少しずつ筋肉を柔らかくしていくことが可能になります。治療を受ける側にとっても、また治療をする側にとっても、根気が一番大切になります。
Q 患部を堅い物で叩くと痛みが和らぐのですが、これはどういったことでしょうか。
A 新しい痛み刺激を与えることで、今の痛みを紛らわせているにすぎません。むしろ筋肉は外からの刺激を受けることで、さらに硬くなってしまう恐れがあります。叩くのではなく、患部を押すようにマッサージしてみてください。また、痛みを麻痺させようと患部を冷やす人もいますが、筋肉がこわばっているケースでは、血流を改善するために温めるのが鉄則です。そのあたりを間違えないようにしてください。