今号の相談は、「激しい運動をしているわけでもないのに肘が痛い」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 激しい運動をしているわけでもないのに、肘の外側に痛みを感じるようになりました。これはどのような症状なのでしょうか。
A いわゆる「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」である可能性が高いです。肘の外側の骨に付着する筋肉に炎症が起こるもので、物を持ち上げる、タオルや雑巾を絞るといった動作で、肘の外側から前腕にかけて痛みが出るのが特徴です。
Q テニス肘と聞くと、スポーツで発症するイメージがありますが。
A ご指摘の通り、テニス愛好家に多くみられる症状のため、テニス肘と呼ばれています。しかし実際には、スポーツをしていない人にもよく起こる症状です。そもそも、日常生活でも肘には常に負荷がかかっています。たとえば、荷物を持ち運ぶ、パソコンやスマートフォンを長時間操作するといった行為も肘に負担を与えます。そうした小さな負荷が積み重なることで、気づかないうちにテニス肘を発症するのです。
Q どのような人がなりやすいのでしょうか。
A 仕事や家事で日常的に肘を使う人に多い傾向があります。たとえば「毎日、玄関先をほうきで掃く」といった動作を続けている方も、テニス肘になりやすいといえるでしょう。
Q 治療はどのように進めていくのでしょうか。
A 当院では、肘の外側から手の甲にかけて走る「前腕伸筋群」という筋肉のこわばりを丁寧にほぐしていきます。比較的アプローチしやすい筋肉なので、施術の効果は出やすいですが、筋肉の状態によっては10回以上の通院が必要な場合もあります。
Q 予防法はありますか。
A 仕事や家事の合間に手首や指のストレッチを行うと良いでしょう。また、できるだけ湯船に浸かり血行を促すことも予防につながると思います。
ただし、いくら予防しても、知らず知らずのうちに負荷が蓄積し、不意に痛みが出ることもあります。その場合は湿布薬を貼って安静にするのも大切ですが、それだけでは根本的な改善にはつながりません。できるだけ早めに筋肉専門の治療院を受診し、筋肉の状態を正確に把握したうえで治療を受けていただきたいと思います。

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