急性症状であるギックリ腰は、背骨を支える筋肉の慢性化したこわばりが急性けいれんを発症したものと考えられます。
痛みの程度が強い場合は『安静』が第一になります。患部への過剰な負荷を避けるよう横になり、できるだけ安静度を高めて下さい。また痛みを感じやすくなりますのでアルコールも控えましょう。
どんなにひどいギックリ腰でも、発症から一週間家でゆっくりしていればほとんどが良くなります。
しかし忙しい日本人には無理な話です。
鑑別対策法
では対策法です。まず患部を伸ばした時に痛みますか?痛みが強くなる場合(右腰痛で上体を左に倒した時右腰が痛く、右に上体を倒したら痛くない状態)筋肉の異常による腰痛です。この場合患部が伸びないようにテーピング固定をして軽く冷やして下さい。それ以外(関節系疾患)の場合は安静後、発症から一週間は常温、以降保温をする。電気療法なども有効です。
重症目安
上半身が斜めに傾いている(上半身をまっすぐにできない)、腰をまっすぐ伸ばせない、くしゃみをすると電気が走るような痛みが出る、階段の上り下りがツラい、下半身にシビレがある・・・。
これらは重症です。自己判断せず専門家の治療を受けましょう。
赤旗兆候
夜間時の安静時痛。原因不明の発熱。以上の症状を伴う場合は今すぐに専門家の診断を仰ぐべきです。
危険
痛みがあるか確かめようと負胆の掛かる姿勢をしたり、腰の筋肉を伸ばしたりすると爆弾はどんどん大きくなります。痛覚を刺激しない生活を一時しておくこと。
すべての養生の基本は『安静』です。
またアルコールが体内に入るとは痛みを感じやすくなります。痛みの強い時には飲酒は厳禁です。
慢性的な腰痛
臨床例で最も多い疾患です。慢性的な腰の痛みは「鈍痛」が特徴的です。
養生の基本は『保温』と『ストレッチ』。
腰の痛みに悩まされている方は、ぜひ日常生活を見直してみましょう。
なぜ腰痛になるかと一言で言えば、カラダの使い方が下手だからです。そして身体のケア不足(主に筋肉の手入れ不足)。手入れをしないと故障しやすくなるのは機械も人間の体も同じ理屈です。
最低限以下の点に注意してみてください。
(起床)
朝起きる時はいきなり飛び起きるのではなく、一度体を反転してから起き上がりましょう。
(仕事)
重いものを持つ時は骨盤バンドを締めるか、重心を下げて(腰を落として)から持ち上げる。
(腹筋運動・背筋運動)
腰痛解消のためにと、腹筋運動や背筋運動を熱心にされる方がいますが、腹筋や背筋を鍛える のはあくまでも腰痛の予防のためです。腰の痛い時は控えてください。悪化する恐れがあります。
それよりも筋肉・関節の状態をきちんと診断できる専門家に受診されるのをお勧めします。
(ゴルフ)
腰痛患者さんでゴルフ好きな方が多いですが、腰は「捻り」の動作に弱い構造をしています。くれぐれもゴルフをやればやるほど腰に負担が掛かることを肝に銘じてください。そして常日頃から、身体のケアに力を入れてください。
(姿勢)
長時間イスに座る方は、腰をまっすぐ立てるようなイメージで座ると腰部の筋肉に負担がかかりません。足を組んで座ると腰が円くなり、背骨を支える筋肉に負担がかかります。
腰痛で多い多裂筋の痛みは、座位時の不良姿勢が原因になることが多いようです。
(ストレス)
慢性的な筋肉の緊張状態は交感神経の亢進によって生じています。
交感神経の亢進は精神的ストレス(悩み、不安、心配、恐怖、悲しみ)などの心理的要因によって促進されます。
慢性疼痛でお悩みの方で、ストレスの多い方、ストレスを感じやすい方は心理面のアプローチも必要となってくるでしょう。
ソフィア受診目安
朝起きた時痛みがある場合、慢性的に鈍い痛みが続く場合、くしゃみ・咳をして響くような痛みがある場合は、専門的な治療が必要な時期です。