今月号の相談は「年をとるにつれて、歩行時に足元がふらつき、歩くのが遅くなった」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 私は70代の女性ですが、最近になり歩くときに足元がふらつき、歩くのが遅くなってきました。これはどういった症状なのでしょうか。
A 歳を経るにつれて筋肉量が減少し、筋力の低下や身体機能が低下していくことは自然なことであり、とくに高齢者のそういった状態をサルコペニアといいます。実際、筋肉量は40歳を過ぎると1年で1㌫減少していき、70歳代では20歳代の4割程度に減少するともいわれております。
Q 筋肉治療でこういった症状を改善することはできないのでしょうか。
A 筋力の低下や身体機能の低下を筋肉治療で改善することはできません。若いうちからジョギングなどの運動習慣、ハーフスクワットや踏み台昇降などの軽い筋トレを日常生活に取り入れ、筋肉を鍛えることをおススメします。そうすることで、高齢期の著しい身体機能の低下を予防することは可能だと思います。
足元がおぼつかなくなると外出が億劫になり、それによってさらに運動量が減り筋肉量が減少するといった負のスパイラルに陥りかねません。心身ともに健康な状態を保つためにも、運動やトレーニングを積極的に日常生活に取り入れてほしいと思います。肉体の健康が心の健康につながることも、私自身経験しております。
Q 筋肉量の減少そのものは仕方がないことなのでしょうか。
A 肉体の経年変化なので、宿命的に誰もが同様の症状に直面します。大切なのは体力の低下に直面したときに落ち込まないことです。肉体が変化していくことを前向きに受け入れ、そのうえで自分ができる範囲でカラダづくりに取り組んでみてください。
Q 若い頃の生活習慣なども影響するのでしょうか。
A もちろんです。40代からカラダづくりに取り組んでいけば、体力の低下を緩やかなものにすることができます。息の長い取り組みになりますが、良質な筋肉をつくるために野菜やタンパク質を中心とした食生活に切り替える、日常生活に適度な運動を取り入れるといったことを心がけるといいでしょう。
人生100年時代といわれている昨今、70歳を超えて健康的な生活を送れるかどうかは、人生の幸福度を左右する大きな要素になっています。ぜひともはやい時期からカラダづくりに努め、バラ色の高齢期を送っていただきたいと願っております。