肉離れと筋スパズム

今月号の相談は「整形外科で肉離れと診断されたが、なかなか快方に向かわない」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。

 

Q 運動後にふくらはぎに強い痛みが生じたため整形外科を受診したところ、肉離れという診断を受けました。医師にいわれた通り、患部に湿布を貼りサポーターで固定しているのですが、なかなか痛みが引きません。そもそも肉離れとはどういう症状なのでしょうか。

A 肉離れとは、運動時の一過性の強い外力によって太もも裏やふくらはぎの筋線維を損傷してしまうケガの総称です。筋線維を損傷すると、軽度のケガでも歩くこともままならないような激痛におそわれます。

Q なかなか痛みが引かない原因はどういったところにあるのでしょうか。

A そもそも、その症状が本当に肉離れなのか、という問題があります。当院にも「肉離れになった」という訴えで来院される方で、実際には筋肉の急性スパズム(攣縮)である症例が多く見受けられます。スパズムとは簡単に言うと、筋肉のけいれん、すなわち筋肉の「攣り」ということです。

Q 筋スパズムと肉離れはどのように鑑別すればよいのでしょうか。

A 急性の筋スパズムも肉離れと同様、歩くこともままならぬ痛みが生じることがあります。よって痛みの強度だけで鑑別するのは難しいでしょう。ただ、筋スパズムは炎症性の痛みではないので、通常、患部に腫れや熱感はありません。一方、肉離れは患部が炎症を起こすため、腫れや熱感、内出血斑を呈し、これらは視診と触診などで鑑別できます。

Q 案外と簡単に見極めることができるのですね。

A ただ、画像診断に依存しているドクターですと、こうしたポイントを見すごして急性痛を一括りにして肉離れと診断しがちです。ドクターの診断を仰ぐ場合、患部の触診を重視する先生を選んだほうがいいと思います。

Q それぞれどのような治療法が効果的なのでしょうか。

A 肉離れの場合はアイシング、湿布薬の貼布、サポーターや包帯による固定などが標準治療となります。筋肉のスパズムについては当初から患部に積極的に介入することで、良好な治療成績を上げられます。ぜひ筋肉治療の専門院ではやめに施術を受けることをおススメします。また、肉離れの場合も患部周辺の筋肉のこわばりが治癒過程に悪影響をおよぼすので、受傷直後から筋肉治療を開始するのも一案です。

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