今月号の相談は「整形外科でストレートネックと診断されたが、痛みの治療法がわからない」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 最近、首や肩のコリと痛みに悩まされるようになり、整形外科ではストレートネックと診断されました。その後も症状がなかなか改善されないのですが、何が原因なのでしょうか。
A 首の骨の並びはもともと前方に湾曲していますが、頭部を前方に倒すと垂直に近い状態になります。そして、こういった姿勢を長期間つづけていると、首肩の筋肉がこわばり、骨が真っすぐ伸びた状態になってしまいます。整形外科では、このレントゲンに映る首の骨の形態異常のことをストレートネックと呼んでいます。
しかし、私はストレートネックの状態は筋肉のこわばりによる結果であり、痛みの原因ではないと考えております。問題は姿勢の悪さによる筋肉の慢性的なコリです。長期間にわたる筋肉のこわばりが骨の並びに異常を起こし、ひいては痛みをも生じさせているのです。
Q では、どのような治療を受ければいいのでしょうか。
A こういった症状の場合、首肩の筋肉の状態をチェックし、こわばっている部位を集中的に施術していきます。首や肩は大小の筋肉が多層的に重なっているので、施術する側に高度な解剖学的知識と触診力が求められる部位です。
Q どういう人がストレートネックになりやすいのでしょうか。
A 最近、ストレートネックは「スマホ首」とも呼ばれ、長時間にわたってスマホを操作している人がなりやすいようです。また、コロナ禍の影響でテレワークに励む方が増えましたが、デスクで長時間パソコンと向き合っている人たちもストレートネックになりやすいと言えるでしょう。
Q 日常生活が大きく影響しているのですね。
A そのとおりです。日常生活の姿勢や身体の使い方を見直さなければ、たとえ治療で痛みが治まっても、しばらくするとまた症状が再発する可能性があるので要注意です。
Q どのように日常生活を改善すればいいのでしょうか。
A パソコン業務の多い人はまず座る姿勢を見直しましょう。背すじを伸ばすというよりは、正座をしたときのように腰骨をまっすぐ立てるようなイメージで座るといいと思います。そうすることで自然と姿勢がよくなるはずです。また、仕事の合間に首肩のストレッチをして、筋肉の緊張をほぐすのも効果的です。それから、筋肉治療の専門家に定期的に筋肉のケアをしてもらうのもいいでしょう。筋肉は知らず知らずのうちにこわばってしまうので、常日頃から定期的なケアを心がけてほしいと思います。