今月号の相談は「後頭部に痛みを感じるが、脳神経内科を受診しても原因がハッキリしなかった」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 後頭部にズーンとした痛みを感じるようになったので、脳神経内科で検査してもらったのですが原因がハッキリしません。これはどのような病態だと考えられますか。
A 病院の検査で原因が明らかにならない場合、筋肉のこわばりが原因で痛みを生じている可能性があります。
Q ということは、頭部の筋肉がこわばっているのでしょうか。
A このようなケースでは、後頭部を覆う後頭下筋群、首から肩を覆う僧帽筋などがこわばって頭痛を生じさせていることが多いようです。しかも、首や肩の筋肉のこわばりは、後頭部痛だけでなく、目の奥の痛み、歯の痛み、吐き気、耳鳴り、めまい、のどのつまり感などの症状を引き起こすケースもあるので、内科や脳神経内科での治療で改善がみられない場合、筋肉に特化した治療院で検査を受けてみるといいでしょう。
Q どのような治療が効果的なのでしょうか。
A 首から肩にかけての筋肉群を触診し、痛みの原因となっているしこりを特定した後に、その部位を集中的に施術していきます。実際、当院にも後頭部の痛みで内科や脳神経内科を受診し原因不明だった患者さんが、筋肉への施術で痛みから解放されている臨床例は珍しくありません。
Q この症状は日常生活のどういったことが原因で引き起こされているのでしょうか。
A 頭部の重さは5㌔㌘ほどあるので、長い時間下を向いた姿勢をつづけていると、肩や首の筋肉に大きな負荷がかかり、痛みの原因になります。たとえば、読書やスマートフォンの操作で下を向いた姿勢を長時間続けることによって、首の後ろの筋肉が強くこわばってしまうケースです。また、寝違えなどが原因で首や肩の筋肉がこわばり、結果的に後頭部の痛みが発生するケースもあります。
Q この痛みを予防するにはどのようなことを心がければよいのでしょうか。
A デスクワークなどで日常的にパソコンでの作業が多い方は、仕事の合間に休憩をとり、首や肩をよく動かして筋肉がこわばるのを避けるようにしてください。また、猫背の姿勢も首や肩の筋肉に負担をかけてしまうので、普段からできるだけ背すじを伸ばすよう心がけてみてください。