今月号の相談は「捻挫をした覚えがないのに足首が痛む」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 足を捻挫した覚えがないのに足首が痛みます。また、正座をすると足首がつっぱるような違和感も生じます。これはどういう症状なのでしょうか。
A 短趾伸筋(たんししんきん)と呼ばれる足の甲にある筋肉がこわばり、痛みや違和感が生じている可能性が高いです。一般的には歩き方のクセで筋肉の疲労が蓄積して生じる症例なのですが、ときには普段あまり運動しない人が長時間歩いたりトレッキングをしたりして、その翌日に突然発症することもあります。
この短趾伸筋の痛みや違和感は、捻挫をした際の症状やその後遺症に似ているため、来院された方の多くが「捻挫をした記憶がないのに捻挫のような痛みがある」と訴えます。このようなケースでは、レントゲンなどの画像診断でも原因が分からず、人によっては長期にわたって痛みや違和感に悩まされている方もいます。捻挫をしてもいないのに足首に痛みや違和感があるようであれば、短趾伸筋のこわばりを疑ってみると治癒への糸口になるかもしれません。
Q どのように対処すればいいのでしょうか。
A 短趾伸筋は足背に位置する小さな筋肉ですので、そのしこりを一般の方が触診するのは困難です。筋肉治療に特化した専門院で検査を受けるのがベストです。一概には言えませんが、十回ほどの施術で回復が見込めます。
Q 予防法はありますか。
A まずは自分が履いている靴が足にきちんとフィットしているか確認してみましょう。また、痛みや違和感が生じたら、ハイヒールのような不安定感の強い靴を履くのをやめて、ウォーキング用のスニーカーなどに履き替えてください。もし足型に合った靴を履いているにもかかわらず痛みが生じる場合は、靴ひもの締め具合をチェックしてみるといいでしょう。靴ひもをきつく締めすぎるとむくみやすくなり、歩行時や走行時にさらに足背部の血流が悪化してしまうので、ほどよい強さで靴ひもを結ぶようにしてください。実際、あるランナーの方はこのアドバイスを実行しただけで痛みから解放されました。靴ひもだからといってあなどらず、シッカリとチェックしていただきたいと思います。