今月号の相談は「骨粗しょう症になったことで痛みは生じるのか」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生にこの症状の原因と対策について聞いてみた。
Q 整形外科で骨粗しょう症と診断されたのですが、骨粗しょう症と腰やひざの痛みに因果関係はあるのでしょうか。
A 骨粗しょう症とは骨密度が低下している状態のことで、主に60代以上の女性に多く見られます。また、骨密度の低下にともないチョットした衝撃で骨折したり、背骨が変形したりする可能性が高くなるともいわれています。しかし、そのことが一般的な腰痛の原因になるかというとそうでもありません。日常的に感じる腰の痛みは、そのほとんどがこわばった筋肉によって生じるものであり、骨の構造異常によって生じるものではないからです。
Q 骨粗しょう症によって筋肉の異常が引き起こされることはないのでしょうか。
A 筋肉にしても骨にしても、ある程度の負荷をかけなければ、年齢を問わず、徐々に衰えていきます。まして運動不足の状態が長くつづくと、骨密度だけでなく、筋力や筋肉量も低下し、必然的に筋疲労による痛みが生じやすくなります。つまり、骨粗しょう症が筋肉の異常を引き起こすのではなく、運動不足によって骨粗しょう症と筋肉の機能低下を併発する可能性があるのです。
Q 骨折のリスクを減らしたいのですが、骨粗しょう症を治すことはできるのでしょうか。
A 改善策のひとつとして、食生活の見直しが取り上げられることもありますが、骨密度の高さは若い頃の食生活に影響を受けるので、高齢になってからカルシウムを積極的に摂取しても効果は薄いと思います。ただ、最近は整形外科で処方薬を出すケースもあるので、その内容を十分に確認し、服用してみるのもいいかもしれません。
Q ほかにケガのリスクを減らす方法はありますか。
A 骨粗しょう症になると、転倒時の手をついた衝撃で手首を骨折してしまうこともあります。ですが、その際に十分な筋肉量と身体の柔軟性があれば、骨折にいたるような大きなケガにはならないはずです。ご自身が運動不足という認識がある場合、とにかく軽い運動からはじめてみてください。散歩やウォーキングなど全身の筋肉を使うエクササイズはおすすめです。