今月号の相談は「畳生活からイス生活に切り替える際に注意すべきことはないか」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 長年にわたって畳の生活をしてきたのですが、年齢のせいか立ち上がったり座ったりするのが辛くなってきました。そこでイスの生活に切り替えようと思っています。その際に何か注意すべき点はありますか。
A たしかにイスの生活のほうが、立ち上がったり座ったりする際の筋肉への負担が軽減します。立ったり座ったりする際のストレスが大きい場合、早めにイス生活に切り替えたほうがいいかもしれません。
しかし、イス生活にも注意すべき点がいくつかあります。たとえばイスの座り方です。日頃の習慣で、イスに浅く腰かけて腰を丸めて座ったり、足を組んで座っていたりすると、背骨を支える筋肉の負担が蓄積し腰痛のリスクが高まります。
また、立ち上がったり座ったりする際の負担が減る分、足腰の筋肉が衰えやすくなることも見逃せません。できれば自発的にウォーキングや体操といった軽い運動を行い、筋肉量の低下、筋力の衰えを防ぐ努力をしてください。せっかくイスの生活に替えて痛みから解放されても、それが原因で身体能力が低下してしまっては元も子もありませんからね。
Q 筋肉の衰えを防ぐためには、畳生活のほうが良いのでしょうか。
A 一概にそうとはいえません。畳生活の場合でも、あぐら座りですと腰が丸くなり、筋肉に余計な負担がかかってしまいます。つまり、イス生活でも畳生活でも重要なのは姿勢なのです。その点、正座の姿勢は太もも前面の筋肉が伸ばされ、しかもひざを最大屈曲するので筋肉と関節のストレッチ効果が見込めます。さらに腰骨が自然に立ち背筋もスラっと伸びるので、筋肉にとって望ましい座り方といえるでしょう。
しかし今の時代、日常的に正座をする習慣はありません。入浴時湯船の中で正座をするといった具合に、日常生活の中にストレッチの一種として上手く組み込んでみるといいかもしれません。
また、筋肉は年齢を重ねると知らず知らずのうちに衰えていきます。よって定期的に筋肉専門の治療院で状態を診断してもらうことをオススメします。ご自身のカラダのクセを知ることはとても大切なことですから。