今月号の相談は「駅伝を走った後にアキレス腱が痛くなった」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生にその痛みの原因と対処法について聞いてみた。
Q 先日、駅伝に出場したのですが、走り終わった後にアキレス腱に痛みを感じるようになりました。それ以来、歩くだけでも痛い状況が続いているのですが、どのような症状なのでしょうか。
A これまでの痛みの相談で解説してきた症例は筋肉疲労の蓄積によるものが多かったのですが、今回のケースはアキレス腱及びその周囲に炎症が生じているものと思われます。こうした炎症性の痛みは、強い外力が加わると生じやすいため、おそらく駅伝で全力疾走をした際に傷めてしまったのではないでしょうか。
Q しばらく安静にしていれば大丈夫ですか。
A アキレス腱を含むくるぶし上から足首・足趾にかけての範囲(ソックスエリア)のケガは長期化しやすく、ともすれば慢性化しやすいので注意しなければなりません。これは足首周辺のような腱や靭帯が密集する部位、もしくは腱・靭帯が骨に付着する部位は血行が悪く代謝が悪いため、ケガの回復が遅れるからです。
よく「数日休んだから大丈夫だろう」と、違和感がありながらもランニングを再開する人がいますが、ソックスエリアの痛みの場合は完治するまで絶対に安静にしてください。走っているうちに「痛みがなくなった」と錯覚してしまうことがありますが、走り終わった後にさらに痛みが強くなり、症状が悪化してしまう恐れがあります。
Q 筋肉のこわばりによる痛みと炎症性の痛みはどのように見極めればいいのでしょうか。
A 一般の方がこのふたつの痛みを見極めるのは難しいので、ソックスエリアに痛みを感じたらすぐに専門医に診てもらってください。炎症性の痛みであれば消炎鎮痛剤を処方してもらえますので、それらを服用、貼付することで痛みや炎症を抑えることができます。
ちなみに今回のような症例の場合、当院ではヒラメ筋、腓腹筋(ふくらはぎ)の緊張を緩めて患部の代謝を図り、早期の回復を目指しています。