今月号の相談は「ウルトラマラソンに挑戦する際のポイントを教えてほしい」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 今度、100㌔のウルトラマラソンにチャレンジしようと思うのですが、いまひとつ自信が持てません。ぶんと先生は先日、100㌔のウルトラマラソンを完走したそうですが、そのコツや注意点があれば教えてください。
A ウルトラマラソンを完走するにはいくつかのポイントがあります。そのひとつとして、フルマラソン以上の距離を走る練習に何度も取り組んでおくことです。それはウルトラマラソンで求められる資質が「速さ」ではなく「強さ」にあるからです。例えば私の体重は約56kgですが、100㌔のレースを1回完走するのに約5600㌔のカロリーを消費します。ウルトラマラソンでは道中にこれだけのカロリーを消費しますので、途中でしっかりと栄養補給をしなければとても完走することはできません。しかし、いざレース中に栄養補給しようとしても、運動中は内臓機能が低下しているため、思うように食事がとれなくなります。そうならないためにも、事前に50㌔を超えるような超長距離の練習を実施し、走りながらその合間におにぎりやパンなどを補給して、「走りながら食べられる胃」を作ることが必要になるのです。
Q フルマラソンは何度も完走していますが、体力的な面は大丈夫でしょうか。
A フルマラソンを何度も完走している人であれば、体力的には問題ないと思います。基本的にはフルマラソンと同じような練習やケアを心がけるようにしてください。ただウルトラの場合、レース後半には精神的な強さも求められます。日頃からストレス耐性力をつけ、メンタル面の強化を図ることも必要です。
Q そのほか、どのような点に注意すればいいでしょうか。
A ウルトラマラソンの道程は長時間にわたるので、天候・気温の変動、体調の変化など身体の恒常性を脅かすさまざまなアクシデントに見舞われます。私自身、1回目の挑戦の際には熱中症でフラフラになりリタイアを余儀なくされました。どんなアクシデントにも柔軟に対応できる能力、極限下においても自己をしっかりと管理できる能力、ウルトラマラソンはそういった生きていく上での本質的な強さを試す絶好の機会になると思います。
Q レース後の身体のケアはどうすればいいでしょうか。
A 長い距離を走るのでフルマラソンよりも筋肉痛は出ると思います。ただ、レース後にきちんとマッサージをしたり、湯船に浸かって筋肉をほぐしたりしておけば問題ないでしょう。