今月号の痛みの相談は「ランニング障害を起こしやすいのだが、その原因は何か」というもの。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q ランニングを始めて以来、立て続けにひざや足首、股関節に痛みが生じ、その度に安静を余儀なくされ継続的な練習が出来ません。どうしたらいいのでしょうか。
A ランニング障害とはケガなどの外傷とは異なり、オーバーワークなどを原因とした軟部組織の蓄積性の機能障害です。ランニング障害をきたす箇所は腰や股関節、太もも、膝、ふくらはぎなど下半身の全域におよびます。
Q いつも知らず知らずのうちにランニング障害になってしまうのですが、その原因は何なのでしょうか。
A ランニング障害の原因には大きく3つの要因があります。ひとつ目は練習内容に問題がある場合です。たとえば、月間走行距離が200㌔を超えるとランニング障害を起こすリスクが高まります。タイムを縮めていく上である程度の走行距離は必要ですが、月に200㌔を超えて走る場合は定期的に筋肉専門の治療院でケアを受けるようにしてください。また、ポイント練習(負荷の高い練習のことで、通常よりもペースを上げて走ることなどを指す)の頻度が週3回以上の場合もランニング障害のリスクが高まります。筋肉の超回復を促すためにも、ポイント練習は週2回までに控えたほうがいいでしょう。
ふたつ目はランニングフォームの問題です。一般のランナーはランニングフォームが自己流のため足腰の筋肉に必要以上に負担がかかり、その結果ランニング障害のリスクを高めているように思います。私がクライアントにアドバイスしているのは、カラダの重心の真下に、ツナ缶を踏みつぶすようなイメージで、フラットに足を置く(接地させる)ということです。そうすることによって効率的な走りになりますし、ランニング障害を起こすリスクも下がります。気になる方は、一度ランニングコーチなどの専門家にチェックしてもらうといいでしょう。
3つ目はランニングシューズの問題です。アウトソール(シューズの接地面)がすり減ってくると、着地の際にカラダのバランスが微妙に崩れるので、足腰にかかる負担が蓄積していきます。ランニングシューズはあくまでも消耗品です。走行距離が500㌔を超えた時点、もしくはミッドソールがあらわになった時点で交換するようにしてください。また、シューズを選ぶ際には、ジャストフィットするサイズを選ぶことも大切です。ついつい履きやすさを優先しワンサイズ大き目のものを選んでしまいがちですが、シューズの中で足が動揺するとシューズ本来の機能を発揮できなくなってしまいます。実際に試し履きをしてジャストフィットするサイズを選ぶようにしてください。