今月号の痛みの相談は「ランニング時に坐骨部が痛むようになった」というもの。はたして、この症状にはどのように対処すればいいのだろうか。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q ランニング時に坐骨部の痛みで走れなくなり困っています。いったいどのような状態になっているのでしょうか。
A トレーニングによるオーバーユースで、臀部の大殿筋や太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)が過緊張しているのでしょう。これはポイント練習に熱心に取り組む上級者に多くみられる症状です。ポイント練習とはダッシュなど強度の高い刺激を取り入れたトレーニングで、走力を上げるには効果的である反面、故障のリスクも高い練習法です。
上級者がさらにタイムを縮めようとすると、スピードやスタミナを付けるためにポイント練習の頻度が増えがちです。中には毎日のようにポイント練習に励む方もいらっしゃいますが、それでは蓄積された筋肉の疲労が抜け切れず、故障に至る恐れがあります。
Q どのようにすれば痛みが引くのでしょうか。
A まずは定期的に休息を入れることが大切です。ポイント練習時の違和感や痛みが残る時は、練習を軽いジョギング程度に控えてください。筋肉は破壊と休息を繰り返すことで超回復(強化)されていくので、激しいトレーニング後にはしっかりと休息を取る必要があります。
Q 今後、再発を防ぐにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
A 坐骨部やハムストリングスにハリ感がある時は強度の高いトレーニングを中止し、休息を取るようにしてください。また、この種の症状が頻繁に生じるようであれば、ポイント練習(質)はもちろん、ランニングの頻度(量)も減らすようにしてください。筋肉のハリ感はカラダが発するSOS信号のようなものです。よって、その警告に素直に従うのが得策です。
Q 治療院に通うのも効果的なのでしょうか。
A 治療効果が出やすい部位なので、筋肉専門の治療院であればすぐに変化が出ると思います。また、定期的に治療院に通っていると、筋肉がこわばるのを未然に防ぐこともできます。週2回以上ポイント練習に励むランナーの方は、定期的に治療院でケアを受けることをオススメします。故障したら元も子もないですからね。