今月号の相談は20代のランナーの男性から。「ランニング中に膝のお皿の下が痛む」というものだ。はたして、このようなケースではどのように対応すればいいのだろうか。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q ランニング中に膝のお皿の下が痛みます。これはどういった症状なのでしょうか。
A 膝のお皿の下の痛みは、整形外科では膝蓋(ルビ・しつがい)靭帯の炎症などと診断されます。しかし、実際には靭帯の炎症ではなく、太もも前面の筋肉のこわばりが原因であると考えられます。(大腿四頭筋の筋痛症)
炎症性の痛みの場合、患部を安静にしてアイシングしなければなりませんが、筋痛症の場合は、患部に積極的に治療を施し、温熱療法を行うのが一般的な治療法になります。診立てが違えば治療法も変わるため、筋痛症を炎症性の痛みと誤診すると、思うような治療結果が出ず、痛みが慢性化してしまう恐れがあります。あまりにも痛みが長期化するようでしたら、筋肉のこわばりによる痛みである可能性を視野に入れ、筋肉専門の治療院に足を運んでみてください。膝のお皿の下の軟部組織は比較的薄いので、数回の治療で良化を実感できるはずです。
Q 何が原因でこの部分の筋肉がこわばってしまったのでしょうか。
A この症状はランニング初心者の方に多く見られます。おそらく膝に負担がかかりやすいランニングフォームになっているのでしょう。初心者の方は体幹の上下動が大きく、膝の屈伸を多用し、足首で地面を蹴るような走りになりがちです。そのため、カラダの重みと地面からの衝撃で膝へのダメージが蓄積されやすいのです。
Q では、ランニングフォームをどのように改善すればいいのでしょうか。
A 体幹の上下動を少なくし、膝や足首の関節を使わずに股関節筋で走るようにすると、膝に余計な負担がかからなくなると思います。とはいっても、自分のランニングフォームをセルフチェックするのはかなり難しいので、専門家の指導を受けながら徐々に改善していくといいでしょう。