今月号の痛みの相談は50代のランナーの男性から。「整形外科で脛(すね)の骨の疲労骨折と診断されたが、いっこうに痛みが引く気配がない」というものだ。はたして、この痛みにはどのように対処すればいいのだろうか。さっそく、ソフィア整骨院の古川ぶんと先生に聞いてみた。
Q 今年1月頃から脛の痛みを感じるようになったのですが、痛みがなかなか引きません。先日、整形外科を受診したところ、骨の表面が盛り上がっているので、疲労骨折が治癒しつつある状態との診断でした。ですが、疲労骨折にしてもあまりに痛みが長引いているように思います。実際のところどうなのでしょうか。
A 1月頃から痛みを感じていたということは、すでに4カ月ほど痛みが持続していることになります。もしかしたら、最初の頃は本当に疲労骨折していたのかもしれませんが、骨折による痛みは長くても数週間しか続きません。したがって、今感じている痛みは筋肉のこわばりによる痛みである可能性が高いと思います。
Q 脚全体に痛みや違和感が広がっているような感じがするのですが、これはどういうことなのでしょうか。
A 初期の頃の痛みをかばって動いているうちに、他の部位への負荷が大きくなり、いつの間にか脚全体の筋肉こわばってしまったのでしょう。通常の筋肉性の痛みであれば、積極的な治療により1カ月程度で治ります。が、今回は4カ月にわたって痛みが持続しているので、その分、他の部位にも負担がかかってしまったのではないでしょうか。整形外科医は、骨格の構造異常が原因による痛みのスペシャリストですが、筋肉の慢性的な機能異常を診断することは不得手です。慢性的な運動器系の痛みは筋肉の機能異常が原因である可能性が高いので、早めに筋肉治療専門の治療院に行って施術を受けてみてください。
Q スポーツ時の足のケガやトラブルを回避するために、足裏の土踏まず部分(アーチ)を鍛えたほうがいいと聞いたことがあるのですが・・・。
A 時折、そういった話を聞きますが、私見ではさほど関連性はないように思います。それよりも、足首や膝の屈伸を少なくしたランニングフォームを心掛けてください。それだけでも脚にかかる余計な負担を減らすことができるはずです。